COLUMN
コラム
新規顧客獲得のための音楽LIVE協賛のポイント
2025/10/13
従来の手法による新規顧客の獲得では、単価の高騰、Web広告の競争激化、Cookie規制による精度などにより行き詰まりがちです。こうした状況下で注目されているのが、音楽LIVE協賛という新たなアプローチです。
ここでは、ライヴ協賛が新規顧客開拓に効果的な理由から、予算規模別の具体的な協賛メニューまで、実践的なポイントを解説します。
新規顧客開拓に行き詰まる企業の課題
新規顧客の獲得は、企業成長にとって欠かせない活動です。しかし、多くの企業が従来の手法では成果が得られず、行き詰まりを感じています。従来の手法でマーケティング効果が狙いにくくなった要因として、次のようなことがいえます。
テレアポ・飛び込み営業に顧客が抵抗感を抱く
テレアポや飛び込み営業は、かつては新規顧客開拓の主要な手段でした。しかし、顧客側の警戒心が年々高まり、効果が大きく低下しています。
近年のテレアポの成約率は、事前の接点がない場合でわずか0.1~1%程度にとどまると言われています。接点がある場合でも5~10%程度、飛び込み営業の成約率も平均3%程度に留まると考えられます。1,000件の架電を行っても、アポイントを確保できるのは1件から10件、多くても50件から100件程度なのです。
成約率低下の背景にあるのは、顧客側の抵抗感の増加があります。営業電話への警戒心が強まり、電話に出ること自体を避ける企業も増えました。担当者不在を理由に断られるケースも多く、初回接触のハードルは年々上昇しています。
リスティング・SNS広告の競合が激化している
デジタルマーケティングの普及により、多くの企業がリスティング広告やSNS広告を活用するようになりました。しかし、参入企業の増加は競争を激化させ、結果としてCPA(顧客獲得単価)の高騰を招いています。
また、広告ランクが低いと広告がなかなか表示されない問題も指摘できます。表示されても無駄なクリックが増え、費用だけがかさむ悪循環に陥るケースも少なくありません。
結果として、同じ予算で獲得できる新規顧客数は年々減少し、マーケティング活動の効率は大きく低下しているのです。
Cookie規制強化でターゲティング精度が低下する
Web広告の業界では、プライバシー保護の世界的な流れを受け、Cookie規制が強化されています。ユーザーの行動を追跡する手段であるCookieが規制されることの問題は、ターゲティング精度の低下です。
広告のターゲティングが上手くできないと、興味関心の低いユーザーにも広告が表示されるようになり、無駄なリーチが増加します。費用対効果の悪化は避けられず、限られた予算をどう配分すべきか、マーケティング担当者は新たな戦略を迫られています。
既存チャネルでは未接触層にリーチできない
既存の広告チャネルを使い続けていると、いずれ同じ顧客層へのアプローチに偏ってしまいます。新規顧客母数の拡大が進まず、獲得効率は頭打ちになります。
デジタル広告は、過去に自社サイトを訪問したユーザーや、類似する属性を持つユーザーを中心にターゲティングします。この仕組みは効率的である一方、まったく接点のない未接触層には届きにくいという限界があります。広告ブロックツールを利用するユーザーや、そもそもデジタル広告に接触しない層へのアプローチは困難です。
音楽LIVE協賛が新規顧客開拓に効果的な理由

従来の広告手法で成果が得られにくくなった今、音楽LIVE協賛は新規顧客開拓の有力な打開策として注目されています。
デジタル広告では接触困難な層へダイレクトにアプローチでき、ファンの感情的な熱量を活用することで、単なる認知拡大を超えた深い顧客関係を構築できるのです。
全国の有望な未接触層と出会える
音楽LIVE協賛の最大の魅力は、従来の広告チャネルではリーチできなかった未接触層との新たな出会いを創出できることです。
一般社団法人コンサートプロモーターズ協会(リンク)の調査によれば、2024年度のライヴ市場の総動員数は約5,939万人でした。国内人口の半数近くが来場していることになり、巨大な母数を確保できることがわかります。
この膨大な来場者の中には、デジタル広告に接触しない層、広告ブロックツールを使用する層、そもそも自社の既存顧客リストに含まれない層が数多く含まれています。音楽ファンは能動的に会場を訪れ、長時間その空間に滞在するため、協賛企業にとっては質の高い接触機会が生まれるのです。地域・年齢・嗜好性の異なる多様な顧客層との接点を一度に創出できる点は、ほかの広告手法では得難い優位性といえます。
アーティストのファン層という明確なセグメントへ効率的にアプローチできる点も見逃せません。特定のアーティストを支持するファンは、価値観やライフスタイルに一定の共通性を持つことが多く、自社のターゲット顧客像と重なるアーティストを選定すれば、効率的かつ精度の高い顧客開拓が可能となります。
スケールメリットでCPAを抑制できる
音楽LIVE協賛は、一度の投資で数千人から数万人規模への同時アプローチを実現できるメリットがあります。アリーナ級の会場であれば1公演あたり5,000人から2万人規模、大型フェスティバルなら数万人から十数万人が動員されるケースも珍しくありません。このような大規模リーチを単価で割り戻すと、一人あたりの接触コストは驚くほど低く抑えられます。
会場内での露出機会も多層的です。ステージ周辺のバナー掲出、場内ビジョンでのCM放映、配布物やサンプリング、体験型ブースでの直接接触など、来場者は滞在時間中に繰り返し協賛企業のブランドに触れることになります。
さらに注目すべきは、SNSを通じた二次拡散効果です。来場者が会場での体験をSNSに投稿する際、協賛企業のロゴやブース写真も一緒に拡散されることで、協賛費以上のリーチ拡大効果が生まれます。UGC(ユーザー生成コンテンツ)として自然に広がるため、広告らしさが薄く、受け手の信頼性も高い点が特徴です。
上記のように、大人数へ多層的・多角的にアプローチできることから、費用対効果の観点でも優れた選択肢となります。
感情的アプローチで商談創出率が高まる
音楽ライヴという場が持つ最大の特性は、ファンの感情が最高潮に高まる瞬間に、ブランドとの接触が発生することです。
音楽ライヴが実施される会場では、好きなアーティストのパフォーマンスを目の前で観るという感動体験と、協賛企業のブランドメッセージが結びつきます。ポジティブな感情体験と同時に接触したブランドは、その感動と一体化して記憶に刻まれるのです。この現象は「感情的記憶の結合」と呼ばれ、通常の広告では実現困難な深いブランド愛着を生み出します。
能動的に会場を訪れたファンは、受容性も非常に高い状態にあります。テレアポのような一方的なアプローチとは異なり、自ら楽しみを求めて来場した顧客に対しては、協賛企業からの情報提供も「押し売り」ではなく「価値ある情報」として受け入れられやすくなります。アーティスト支援への共感という要素も加わることで、企業好意度が自然と向上し、商談や購買への転換率を高める効果が期待できるのです。
音楽LIVE協賛で新規顧客開拓を成功させるためのポイント

音楽LIVE協賛による新規顧客開拓の成否を分けるのは、実行段階での具体的な施策設計です。
アーティストの選定から会場内の顧客体験設計、そしてイベント終了後のフォローアップまで、一貫した戦略のもとで取り組むことで、単なる認知拡大を超えた確実な成果につなげられるでしょう。
ターゲットとの親和性が高いアーティスト選定
新規顧客開拓を成功させる第一歩は、自社のターゲット層とファン層が重なるアーティストを選ぶことです。どれだけ協賛費をかけても、顧客層がずれていれば効果は限定的になってしまいます。
アーティスト選定では、まず自社のターゲット顧客を具体的に定義することから始めましょう。年齢層、性別、居住地域といったデモグラフィック情報だけでなく、興味関心、価値観、ライフスタイルといったサイコグラフィック情報まで掘り下げます。20代の若年層をターゲットにするのか、ファミリー層に広くアプローチするのかで、選ぶべきアーティストは大きく変わります。
ブランドイメージとの整合性も見逃せません。先進的で革新的なイメージを打ち出したい企業なら、最先端の音楽シーンで活躍する新進気鋭のアーティストが適しています。一方、地域密着型の企業が地元出身のアーティストを選べば、地域住民からの共感を得やすくなるでしょう。アーティストの音楽性、世界観、発信するメッセージが、自社のブランド価値と合致しているかを慎重に見極めることが重要です。
未接触層が興味を持つ会場内設計を行う
会場内での顧客接点をどう設計するかで、協賛効果は大きく変わります。来場者の関心を引き、実際に足を運んでもらい、自社ブランドを記憶に残す流れを緻密に設計しましょう。
具体例を提示すると、体験型ブースの設置は、未接触層との最初の接点を作るのは有効な手段です。可能であれば、休憩スペースやスマートフォンの充電スポットとしての機能を持たせることで、来場者にとって「嬉しい場所」となり、滞在時間が自然と延びます。滞在時間が長ければ、それだけブランドメッセージを深く届けられる可能性が大きくなるでしょう。
さらに、ターゲット分析やリード獲得動線として、属性やメールアドレスなどを自然に登録できるしくみがあるのが理想的です。具体的な方法として、新規登録者向けのクーポンの配布や、優待付きのアンケート実施などが考えられます。
終演後に向けリード育成のしくみを構築する
音楽LIVE協賛の効果は、イベント当日で終わりではありません。会場で獲得した未接触層との接点を、いかに継続的な関係へと育てていくかが、新規顧客開拓の成否を決めます。
直接的な方法として、後日メールを配信するなど、獲得したリードに対する積極的なアプローチが考えられます。このとき、一方的な情報提供ではなく、顧客の興味関心や行動履歴に応じてコンテンツをパーソナライズすることで、より高い開封率とエンゲージメントが期待できます。
CRM(顧客関係管理)システムとの連携も検討しましょう。会場で獲得したリード情報をCRMに取り込み、その後の接触履歴、Webサイトの閲覧行動、メール開封状況などを一元管理します。データに基づいて顧客の関心度合いを可視化し、ホットリードには営業部門から直接アプローチする、まだ温度感が低いリードにはさらなるコンテンツ提供を続けるといった、きめ細かなリードナーチャリングが実現できるのです。
予算規模別|新規顧客開拓に効く協賛メニューの選び方

LIVE協賛の効果を最大化するには、自社の予算規模に応じた適切なメニュー選定が不可欠です。予算帯によって選べる協賛形態や期待できる効果は大きく異なります。
ここでは、500万円から5000万円以上まで、3つの予算規模別に最適な協賛メニューと、新規顧客開拓における活用ポイントを解説します。
予算500万円~1000万円|地域密着型ライヴ協賛
限られた予算で確実に成果を出したい企業には、地域密着型のライヴ協賛が最適です。この予算帯では、キャパシティ500名以下の音楽ライヴイベントが主な対象となります。
具体的な協賛メニューとしては、
- 会場内でのロゴ掲載
- チラシやポスターの掲示
- ブース設置によるサンプリングやアンケート実施
などが考えられます。小規模な音楽ライヴには「来場者との距離が近い」といった利点があり、直接対話しながら商品を紹介したり、ニーズをヒアリングしたりといった密なコミュニケーションを取る機会も逃せません。
予算1000万円~3000万円|全国ツアー単独公演協賛
予算に余裕があり、より広いエリアで新規顧客を開拓したい企業には、全国ツアーの単独公演協賛が適しています。キャパシティ1,000~5,000名規模のホールや野外会場が対象となり、一度の協賛で数千人規模の来場者へアプローチできます。
この予算帯で得られる協賛メニューは格段に充実し、
- 会場内CM放映権(開演前や休憩時間のプロモーション映像)
- SNS公式アカウントでの露出
- ステージ周辺への大型バナー掲出
- サンプリング実施権
などが標準的です。
協賛メニューの選択では、なるべく複数の接触ポイントを確保できるようにしたいところです。来場者の記憶に強く残る仕掛けが可能となり、新規顧客向けの動線を構築しやすくなります。
予算3000万円~5000万円以上|大型フェス冠協賛・複数公演パッケージ
十分な予算を確保でき、全国規模でのブランド認知と大量のリード獲得を目指す企業には、大型フェスの冠協賛や複数公演パッケージが最適です。大型音楽フェス、全国アリーナツアー、スタジアム公演といった大規模イベントが対象となります。
この予算帯の最大の特徴は、冠スポンサーシップや独占権を獲得できる点です。具体的には協賛メニューとしては、
- イベント名への企業名冠付け
- 競合他社の協賛排除を可能とする権利の獲得
などが挙げられます。
大型イベントはニュース価値が高く、テレビや音楽専門チャンネル、Webメディアで取り上げられる機会が多くなるのも要注目です。協賛企業として紹介されることで、来場者以外の膨大な視聴者にもブランド名が届く仕組みです。SNSでの拡散も桁違いで、数十万から数百万のインプレッションが期待できるでしょう。
まとめ|新規顧客開拓の突破口として音楽LIVE協賛を
新規顧客開拓の手詰まり感を打破する突破口として、音楽LIVE協賛は大きな可能性を秘めています。年間約6,000万人が動員される巨大市場で、デジタル広告では接触できない未接触層へアプローチし、感情的な結びつきを通じて深い顧客関係を構築できる点が最大の魅力です。
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