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COLUMN

コラム

インバウンド×音楽LIVE協賛|訪日外国人にブランドを届ける新しいマーケティング戦略

2025/12/08

訪日外国人は看板やパンフレットではなくSNSで情報を集め、来日前に旅程を固めています。近年、その目的のひとつに「ライヴイベントやフェスに参加し目当てのアーティストのパフォーマンスが見たい」というものがあり、そのタイミングに接触を図ることで海外顧客向けのマーケティングを成功に導けます。

ここでは、訪日外国人が集まるイベントの傾向から、効果的な協賛メニューの選び方、国内×インバウンドのハイブリッド設計まで、実践的なノウハウを解説します。

 

なぜ今、音楽LIVEがインバウンドマーケティングの最前線なのか

インバウンドマーケティングといえば、看板広告や観光施設でのパンフレット配布を思い浮かべる方も多いでしょう。しかし近年、音楽ライヴやフェスが訪日外国人へのアプローチ手段として急速に注目を集めています。

 

訪日外国人と音楽フェスは急接近している

2024年の国内音楽フェス市場は動員約360万人・市場規模約434億円と過去最高水準に達し、右肩上がりの成長が続いています。この成長を支える要因の一つが、訪日外国人の来場増加です。主要フェスでは外国人来場者が全体の10%前後を占めるケースも珍しくなくなっており、その数は毎年増加傾向にあります。

背景にあるのが「ミュージックツーリズム」と呼ばれる潮流です。特定のアーティストのライヴやフェスを目的に海外から足を運ぶ旅行スタイルが、欧米やアジア圏で急速に広まっています。「好きなアーティストを日本で観る」という体験は、それ自体が強力な来日動機となりつつあるのです。

※参考:音楽産業の新たな時代に即したビジネスモデルのあり方に関する報告書(経済産業省)

 

訪日外国人の消費行動が「体験」に変化しつつある

かつての訪日外国人の消費といえば、百貨店や家電量販店での「爆買い」が象徴的でした。しかし近年、その構図は大きく変わっています。観光庁の調査でも、訪日旅行者の消費はモノからコト(体験・活動)へとシフトしており、ライヴやフェスをはじめとするエンタメ体験への支出が増加傾向にあることが示されています。

この変化は企業にとって大きなチャンスです。体験型コンテンツに参加する訪日旅行者は、消費単価が高い傾向にあることが知られており、マーケティングのターゲットとして非常に価値の高い層といえます。

 

インバウンド顧客には独特の接触パターンがある

インバウンドマーケティングを考える上で見落とせないのが、訪日外国人の情報収集の特性です。国内の生活者と異なり、外国人旅行者はテレビCMや屋外広告よりも、SNSやオンライン検索を通じて情報を得ていることが多くなっています。

とくに注目すべきは、多くの訪日旅行者が来日前に旅程をほぼ確定させてしまうという点です。つまり、現地でどれだけ魅力的な広告を見せても、すでに行動計画が固まっていれば意思決定には間に合わないケースがあります。それよりも、旅行を計画している段階でオンライン上でブランドに触れてもらうことの方が、購買判断に強く影響するのです。

 

訪日外国人が多く集まる音楽イベントの傾向と特徴

ひと口に「インバウンド向け音楽LIVE協賛」といっても、どのイベントを選ぶかによって、集まる外国人の国籍・属性・消費傾向は大きく異なります。効果的な協賛先を選ぶためには、まずどんな音楽イベントに外国人が集まるのかを把握しておくことが重要です。

 

外国人来場者が多いフェス・ジャンルのタイプ

訪日外国人が多く集まる音楽イベントには、いくつかの明確な傾向があります。特に外国人来場比率が高いのは、海外で知名度のあるアーティストが出演するフェスや、日本発のカルチャーに強い関心を持つ層をターゲットにしたライヴイベントです。

代表格は、毎年地方で行われ、欧米の著名アーティストが多数出演する音楽フェスです。海外の音楽ファンが「日本に来てまで観たい」と感じる特別な場になっています。

K-POPアーティストの公演も、インバウンド集客力という観点では見逃せません。韓国・台湾・中国・東南アジアを中心に世界中に熱狂的なファン層を持つK-POPは、日本で開催される音楽ライヴが「遠征先」として選ばれることも多く、各国からの来場者数は年々増加しています。

さらに近年注目されているのが、アニメ・ゲーム関連アーティストのライヴ・フェスです。日本のアニメや声優文化は欧米・アジア双方に深く浸透しており、そのコンテンツに紐づくアーティストの音楽ライヴには、国内のコアファンと同等の熱量を持つ外国人ファンが集まります。エンゲージメントの高さという点で、協賛企業にとっても訴求しやすい層です。

 

国籍・地域別に見る音楽の好みとフェス参加傾向

「訪日外国人」を一括りに捉えるのではなく、国籍・地域ごとの音楽嗜好の違いを理解することが、協賛先選びの精度を高める鍵になります。

■東アジア圏(韓国・台湾・中国)
……K-POPや日本のアニソン・Jポップへの関心が特に高く、好きなアーティストのライヴのために複数回来日するケースも珍しくありません。旅行目的が「アーティスト遠征」として明確に定まっているため、来場者のモチベーションが高く、会場での消費意欲も旺盛です。

■東南アジア(タイ・インドネシア・フィリピンなど)
……日本のポップカルチャー全般への親和性が高い地域です。アイドルグループやアニメキャラクターに関連する音楽ライヴへの来場者が増加しており、SNSでの拡散力も非常に高い層として注目されています。

■欧米(米国・英国・フランスなど)
……洋楽アーティストを招いて行う国際的ライヴイベントやフェス、またはグローバルに活動するアーティストのジャパンツアーに集中する傾向があります。来日に際してのリサーチ量が多く、ブランドへの目が肥えているため、協賛施策のクオリティが問われる層でもあります。

 

都市型フェスvsローカルフェス|インバウンド視点での比較

インバウンドを意識した協賛先を選ぶ際、ライヴイベントやフェスの開催地にも注目しましょう。開催地により、異なる強みを持っているためです。どちらが優れているということではなく、自社の目的や予算に応じた使い分けが重要です。

■都市部で開催されるライヴイベントの特徴
……国際空港へのアクセスが良く、ホテルや公共交通機関も充実しているため、外国人が旅程に組み込みやすい特性があります。来場者に占めるインバウンド比率が高くなりやすく、絶対数として多くの外国人来場者にリーチできる点が最大の強みです。

■地方で行われるライヴイベントの特徴
……「音楽×自然」という日本ならではの非日常体験は海外でも高く評価されており、遠方からでも足を運ぶコアなファン層を引きつけます。来場者のロイヤルティが高いため、ブランドとの深い結びつきを形成しやすいのが特長です。

 

インバウンド向けライヴ協賛で選ぶべき協賛メニュー

音楽LIVEの協賛メニューは国内向けもインバウンド向けも基本的な種類は同じです。しかし、外国人来場者への訴求を意識した設計を加えるだけで、その効果は大きく変わります。

ここでは、インバウンド視点で特に有効な協賛メニューを目的別に解説します。

 

認知を広げる|会場内CM・バナー掲出の多言語展開

ブランド認知を広げる手段として定番なのが、会場スクリーンへのCM放映とバナー掲出です。この2つは国内向けの協賛でも活用されますが、インバウンドを意識するなら「多言語対応」の有無で効果に大きな差が出ます。

会場スクリーンで放映するCM映像に英語・中国語・韓国語の字幕を加えるだけで、外国人来場者への訴求力は大幅に向上します。言語が異なっても映像の内容が伝わることで、ブランドへの理解と好感度が生まれやすくなるでしょう。字幕の追加は制作コストも比較的小さいため、費用対効果の高い施策です。

バナー掲出においても、企業ロゴだけを掲出するのと、英語キャッチコピーやQRコードを併記するのでは、インバウンド層のアクション率に明確な差が生まれます。特にQRコードは、言語に依存せず多国籍の来場者を多言語対応のランディングページへ誘導できる汎用性の高いツールです。入場ゲートや会場内の主要動線など、来場者の目に自然に入る位置への設置がポイントになります。

 

体験を提供する|ブース出展・サンプリングでの直接接触

言葉の壁を最も自然に越えられる施策が、ブース出展と商品サンプリングです。試食・試飲・試用といった「実際に体験してもらう」アプローチは、説明文の翻訳なしでも商品の価値を直感的に伝えられます。外国人来場者にとっても「日本でしか体験できない」という特別感が加わるため、記憶に残りやすいブランド接触になるでしょう。

ブース運営では、多言語対応スタッフの配置が理想的ですが、難しい場合はタブレット翻訳ツールの活用で十分に対応できます。重要なのは「外国人歓迎」の雰囲気を作ることであり、英語表記のメニューボードや多言語の簡単な説明カードを用意するだけでも、来場者の立ち寄りやすさは大きく変わります。

商品の訴求では、「日本限定」「会場限定」といった付加価値のメッセージが外国人の購買動機を強く刺激します。旅行中の外国人には「ここでしか手に入らない」という限定性が非常に響きやすく、その場での即時購入を後押しするだけでなく、帰国後の再購入につながるケースもあります。あわせて、多言語対応のデジタル登録フォームやアンケートを設置しておけば、ブース来訪をリード獲得の機会にも変えることができるでしょう。

 

拡散を生む|SNS×インバウンドファンのUGC活用

外国人来場者が持つ最大の拡散力は「日本のライヴ体験を自国のフォロワーに伝えたい」という強い動機です。海外から来日してライヴに参加した体験は、それ自体がコンテンツとして価値を持つため、国内ユーザーと比べて投稿頻度・熱量ともに高い傾向があります。一人の投稿が届く先は自国のフォロワーであり、企業にとっては海外への自然な認知拡大につながります。

この拡散力を最大化するために有効なのが、多言語対応のハッシュタグ設定です。英語・韓国語・中国語など来場者の国籍に合わせたハッシュタグを用意し、会場内の目立つ場所に掲示しておくことで、外国人来場者が自国のSNSで投稿しやすい環境が整います。

フォトスポットの設置も非常に効果的です。「映える」背景やオブジェに企業ロゴやブランドカラーを組み込むことで、来場者が自発的に撮影・投稿するUGCの中にブランドを自然に組み込めます。さらに、投稿インセンティブとして抽選プレゼントや限定クーポンを設けると、イベント終了後も継続的に投稿が増え、拡散の波をイベント当日以降にも広げることができるでしょう。

 

購買につなげる|QRコード・多言語ECへの導線設計

認知・体験・拡散を経た外国人来場者を「購買」につなげるには、その場で購入できる環境と、帰国後も購買できるしくみの両方を整えることが重要です。

会場内のバナーやブースにQRコードを設置し、多言語対応のランディングページや越境ECサイトへ直接誘導することで、言語の壁なく購買機会を提供できます。このとき「会場限定クーポン」や「インバウンド向け特典」をQRコードに紐づけておくと、スキャン率と成約率を大きく高められるでしょう。来場者にとっても「今すぐ使える特典」は行動を起こす明確な理由になります。

帰国後の再購買を視野に入れるなら、グローバル対応ECへの誘導リンクをLP(ランディングページ)に含めておくことが有効です。日本での音楽ライヴ体験が良い記憶として残れば、それがブランドへの愛着に変わり、帰国後の購買行動につながる可能性は十分にあります。

なお、購買の最終段階で障壁になりやすいのが決済手段の問題です。ブース・ECともに、海外系のキャッシュレス決済や各種クレジットカードへの対応を事前に整えておくことが、インバウンド向け施策を実効あるものにするための前提条件となります。

 

国内ファンとインバウンドの両方に届くハイブリッド協賛のポイント

インバウンド向け施策を「別立て」で用意する必要はありません。国内ファン向けの協賛に少しの工夫を加えることで、同じ予算で国内・海外の双方にリーチするハイブリッドな設計が実現できます。

 

国内向けとインバウンド向けを両立させる戦略とは

ハイブリッド協賛を成功させる上で最初に意識すべきなのは、国内ファンとインバウンドの間にある「共通点」を見つけることです。音楽という体験は国籍を問わず感動を生み出します。この「共通の体験価値」を訴求の核に置き、コピーの言語や表現だけを国内向け・海外向けで切り替える「コアワン・メッセージ」戦略が、最も効率のよいアプローチです。メッセージを一から作り直す必要がなく、翻訳と表現調整の工数だけでインバウンド対応が完結します。

予算の使い方においても、役割分担を明確にすることで重複投資を防げます。会場内のバナーやブース・CMといったリアル施策は国内ファンへの接触を主軸に設計し、SNS投稿や特設LP・QRコードなどのデジタル施策はインバウンドおよび海外在住ファンへのリーチ手段として位置づけると、同じ予算で二つの層を効率よくカバーできます。

さらに見逃せないのが、国内ファンのUGCが生み出す二次的な波及効果です。日本のライヴ会場で熱狂する来場者の投稿が海外のSNSに広がることで、インバウンド層が「次の来日時に行きたい」と感じる動機が自然に形成されます。国内ファンの熱量が、次のインバウンド来場者を呼び込む循環を作り出すのです。こうした好循環を意図的に設計するためにも、協賛先の選定段階でインバウンド来場者比率の高いイベントを選ぶことが、ハイブリッド戦略全体の前提条件となります。

 

予算規模別ハイブリッド協賛の組み合わせ例

ハイブリッド協賛は大規模な予算がなければ実現できないわけではありません。予算規模に応じた最適な組み合わせを選ぶことが重要です。

■小規模予算(50〜200万円)の場合
……SNS露出と多言語QRコード付きバナー掲出の2点に絞ることで、デジタル起点の効率的なリーチが実現できます。バナーにQRコードを組み込み、多言語対応のLPへ誘導する設計にすれば、国内ファンとインバウンド層の双方を同一の導線でカバーすることができるでしょう。予算が限られている分、効果測定がしやすく、次回以降の協賛への学習データとしても活用できます。

■中規模予算(200〜500万円)の場合
……ブース出展・多言語サンプリング・SNSハッシュタグキャンペーンの3点を組み合わせることで、体験とUGC拡散を同時に設計できます。ブースでのサンプリングが「体験」の接点を作り、多言語ハッシュタグがその体験をSNS上に広げる仕組みとして機能します。来場者が自発的にブランドを発信してくれるUGCの創出を、施策の中心に据えるのがポイントです。

■中上規模予算(500万〜1,000万円)の場合
……会場内CM(多言語字幕付き)・フォトスポット設置・越境EC誘導QRコードをフルパッケージで組み合わせることで、認知・体験・購買を一気通貫で設計できます。CMで認知を広げ、フォトスポットでUGCを生み出し、QRコードで購買につなげるという流れが会場内で完結するため、協賛効果を最大化しやすい構成です。

どの予算規模においても共通する原則として、協賛費用全体の配分は「権利料60%・アクティベーション(多言語対応を含む実施費用)40%」を目安とすることが、ハイブリッド施策の効果を最大化する鍵になります。権利料だけに予算を使い切ってしまうと、実際の施策実行に必要なコストが不足し、協賛の恩恵を十分に引き出せません。

 

イベント前・当日・事後の三段階でリーチを最大化する方法

音楽LIVE協賛によるマーケティング効果は、イベント当日だけに限定されません。前後の期間も含めた三段階のコミュニケーション設計によって、インバウンドへのリーチを大幅に拡張できます。

■イベント前
……アーティストやイベントの公式SNSアカウントでの多言語告知投稿を、開催数週間前から行うことが重要です。英語・韓国語・中国語に対応した特設LPを早期に公開しておくことで、旅行計画を立て始めている外国人ファンのブランド接触が可能になります。来日前の段階でブランドを認知させ、会場でのブース訪問や商品体験への期待値を高めておくことが、当日の行動につながります。

■イベント当日
……多言語スタッフ配置のブース・フォトスポット・多言語QRコードを会場内に設置し、体験接触とSNS拡散をその場で完結させることが目標です。来場者が会場にいる限られた時間の中で、認知・体験・投稿という一連のアクションをスムーズに起こせる動線設計を意識しましょう。

■イベント事後
……来場者がSNSに投稿したUGCを公式アカウントでリポスト・二次活用することで、来場できなかった海外フォロワーへのリーチを事後にも拡大できます。「日本の音楽ライヴ・フェスでこんな体験ができた」という投稿は、次の来日を検討している外国人にとって強力な動機付けになります。

この三段階を通じて設計されるカスタマージャーニーは、「来日前にブランドを知る→会場で体験する→帰国後も関わり続ける」という理想的な流れです。一度きりの接触で終わらせず、継続的な関係を築くことが、インバウンドをターゲットとした音楽LIVE協賛の最大の価値といえるでしょう。

 

音楽LIVE協賛でインバウンドへのブランド接触を実現しよう

訪日外国人へのアプローチは、テレビや看板広告だけではありません。ミュージックツーリズムの台頭により、音楽ライヴやフェスは今や訪日外国人が高い熱量で集まるリアルな接点になっています。適切なイベントを選び、多言語対応の協賛メニューを組み合わせることで、国内ファンとインバウンドの両方に届くブランド体験を設計できるでしょう。

LIYYELLは、音楽LIVE協賛のマッチングから施策設計・効果測定までをワンストップで支援するプラットフォームです。インバウンド比率の高いイベントへの協賛は、専門スタッフが一緒に考えます。まずはお気軽にお問い合わせください。

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