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COLUMN

コラム

データで読み解く音楽市場の成長とこれからの協賛マーケティング戦略

2026/02/27

広告費をかけているのにターゲット層に届かない、マス広告のROIが年々低下している――こうした悩みを抱えるマーケティング担当者が増えています。一方で、音楽・ライヴエンタメ市場は2024年に7,605億円と過去最高を記録し、2030年には8,700億円への拡大が予測される成長市場です。

ここでは、最新データに基づき、なぜ今ライヴ協賛が注目されるのか、どのように協賛先を選定し予算配分すべきかを具体的に解説します。

 

急成長する音楽・ライヴエンタメ市場の最新データ

音楽・ライヴエンタメ市場は、コロナ禍からの回復を超えて本格的な成長フェーズに突入しています。ぴあ総研や日本レコード協会が公表した最新データからは、市場規模の拡大だけでなく、消費者の音楽体験への投資意欲の高まりが明確に読み取れます。

 

2024年のライヴ市場規模は過去最高の7,605億円を記録

ぴあ総研が2025年6月に公表した調査によれば、2024年のライヴ・エンタテインメント市場規模(音楽・ステージ)は7,605億円に達し、過去最高を更新しました。前年比10.9%増という二桁成長を実現し、コロナ禍前の2019年(6,295億円)と比較しても20.8%増と大幅な伸びを示しています。

内訳を見ると、音楽分野が5,299億円(前年比11.4%増)、ステージ分野が2,306億円(同9.8%増)と、いずれも好調な推移です。この成長を支えているのは「トキ消費」や「推し活」といった新たな消費行動の定着に加え、アリーナやスタジアムなど大規模会場の高稼働化、人気アーティストの集客力強化、チケット単価の上昇など複合的な要因が挙げられます。

特筆すべきは、単なるコロナ禍からの回復ではなく、2019年の水準を大きく超える成長を遂げている点です。音楽ライヴへの参加が日常的なエンターテインメント消費として定着し、多くの人々が「体験価値」に対して積極的に投資する姿勢が鮮明になっています。

※参考:ライヴ・エンタメ市場、想定を超えて最高更新。2030年予測も上方修正(ぴあ総研)

 

音楽配信は11年連続成長で1,233億円に到達

デジタル音楽市場も堅調な成長を続けています。日本レコード協会が2025年3月に発表したデータによると、2024年の音楽配信売上は1,233億円(前年比106%)となり、2005年の統計開始以来最高額を3年連続で更新しました。これで11年連続のプラス成長を記録したことになります。

音楽配信市場の中核を担うのはストリーミングサービスです。2024年のストリーミング売上は1,132億円(前年比107%)に達し、音楽配信全体の91.8%を占めるまでに拡大しました。特にサブスクリプション型の音楽配信サービスは926億円(同109%)と好調で、SpotifyやApple Musicといったプラットフォームが日常的な音楽体験のインフラとして浸透している様子が数値に表れています。

一方で、ダウンロード市場は95億円(前年比93%)とやや縮小傾向にあるものの、ストリーミングの成長がこれを補って余りある状況です。音楽ソフト(CD・DVDなど)の生産金額2,052億円と音楽配信売上を合わせた市場全体では3,285億円となり、ストリーミングのシェアは34%にまで拡大しています。

このデジタル音楽市場の成長は、ライヴイベント市場との相乗効果も生んでいます。ストリーミングで日常的に音楽を聴くファンが、好きなアーティストのライヴに足を運ぶという消費行動のサイクルが確立されつつあるのです。

※参考:2024年年間音楽配信売上1,233億円~11年連続プラス成長(PR TIMES)

 

なぜ今、音楽LIVEマーケティングが注目されるのか

従来のマーケティング手法が限界を迎えつつある中、音楽LIVEマーケティングという新たな選択肢が企業の注目を集めています。背景にあるのは広告市場の構造的変化と、消費者行動の質的転換です。データで読み解くと、その理由が明確に見えてきます。

 

従来のマス広告が抱える3つの課題

マス広告は長年、企業のマーケティング戦略の中核を担ってきました。しかし現在、深刻な課題に直面しています。

第一の課題は、広告単価の高騰とROIの低下です。HubSpotが実施した調査によれば、マーケティング担当者の62.3%が「広告単価の上昇」を課題視しており、67%が「過去1年で社内でマーケティング施策のROIを厳しく問われるようになった」と回答しています。テレビCMの費用は制作・放映ともに高額で、限られた予算で最大効果を狙う中小企業にとって投資判断が難しくなっているのが実情です。

第二の課題は、ターゲットリーチの非効率化が進んでいることです。同調査では65.7%のマーケターが「プライバシー規制によって顧客のターゲティングが難しくなっている」と感じており、テレビは視聴者層の高齢化や若年層のテレビ離れが進行しています。雑誌も発行部数が減少し、従来の手法では狙ったターゲット層に効率的にリーチできない状況が広がっています。

第三の課題は、効果測定の困難さです。マス広告はリーチ力が高い一方で、デジタル広告と異なり「誰が」「いつ」「どのように」反応したかを詳細に把握することが難しく、ROIの厳密な管理が求められる現代においてコストパフォーマンスの面で敬遠されがちになっています。デジタル広告も、インターネット上に無数の広告があふれた結果、CTR(クリック率)の低下やCPC(クリック単価)の上昇が顕著となり、広告効率は頭打ちの状況です。

 

推し活・トキ消費・メリハリ消費が生む新しい消費者行動

こうしたマス広告の課題と並行して、消費者行動にも大きな変化が起きています。その中心にあるのが「推し活」「トキ消費」「メリハリ消費」という3つのキーワードです。

推し活を支えているのは「トキ消費」という行動様式です。トキ消費とは、その時・その場所でしか体験できない「非再現性」を重視する消費行動を指します。音楽ライヴはまさにトキ消費の代表格であり、同じアーティストの公演でも日付や会場が違えば二度と同じ体験はできないという特性が、ファンの参加意欲を強く刺激しています。

さらに注目すべきは「メリハリ消費」の定着です。物価高が続く中でも、本当に価値を感じるもの、特に「推し」に関連する体験には積極的に投資する消費者が増えているのです。

 

ライヴ協賛が実現する高エンゲージメント層へのリーチ

これらの消費者行動の変化を捉えたのが、音楽LIVEマーケティングというマーケティング手法です。従来のマス広告が抱える課題を解決しながら、高エンゲージメント層に効率的にリーチできる特性があります。

具体的には、次のようなことがいえます。

◼︎アーティストへの熱量が極めて高い層にアプローチできる
……音楽ライヴの会場に足を運ぶファンは、チケット代、交通費、グッズ代、宿泊費など相応のコストをかけてでも参加したいと考える人々であり、その場での体験価値を最大限に享受しようとする意識が強いといえます。協賛企業がライヴという「特別な体験」の一部として自然に存在することで、ブランドメッセージがポジティブな感情と結びつきやすくなります。

◼︎ターゲット層の精度が高い
……アーティストやジャンルを選定することで、自社のターゲット顧客層とファン層を高い精度でマッチングできます。SNS分析により年齢・性別・興味関心などのデータを事前に把握できるため、マス広告のような「不特定多数への発信」ではなく、狙った層に確実にリーチすることが可能です。

◼︎試用・即時購買につなげられる
……会場内での協賛メニュー(ブース出展、サンプリング、フォトスポットなど)を活用することで、認知だけでなく試用促進や即時購買につなげることもできます。ライヴという高揚感に満ちた空間でのタッチポイント創出が、ブランド体験の質を高めているのです。

 

音楽LIVEマーケティングの効果を最大化するライヴの選定方法

ライヴ協賛の成功は、協賛先の選定で決まります。自社のターゲット層とアーティストのファン属性が一致し、予算規模に見合った会場規模を選び、ブランドイメージとの親和性が高い協賛先を見極めることで、費用対効果を最大化できます。

 

アーティストのSNSフォロワーを分析する

協賛先選定の第一歩は、アーティストのSNSフォロワーを詳細に分析することです。現代のマーケティングにおいて、SNSデータはターゲット層を可視化する最も有効なツールといえます。

重要なのが、フォロワー属性の分析です。SNS分析ツールを活用すれば、フォロワーの年齢層、性別、居住地域、興味関心カテゴリーをデータとして可視化できます。自社のターゲット顧客層が「20代後半から30代前半の働く女性」であれば、同様の属性を持つフォロワーが多いアーティストを選定することで、マーケティング効率が飛躍的に向上します。

加えて、ファンの消費行動パターンも見逃せません。グッズ購入やライヴ参加に関する投稿が多いアーティストのファンは、推し活への投資意欲が高い傾向にあります。こうしたファン層は、協賛企業の商品やサービスに対しても積極的な関心を示す可能性が高く、協賛メニューとの相性が良いといえるでしょう。

 

音楽ジャンル別のファン属性とターゲット層をマッチングさせる

音楽ジャンルは単なる「音の好み」ではなく、ライフスタイルや価値観を表現するアイデンティティの一部です。ジャンル選定を戦略的に行うことで、自社ターゲット層への精度の高いリーチが実現します。

Peterson and Kernによる米国政府の文化統計調査(1996/リンク)では、音楽ジャンルの好みと社会的属性の間に明確な連関があることが実証されています。こうしたデータを活用し、自社ターゲット層の音楽嗜好を逆算することで、協賛先選定の精度を大きく高められます。

 

会場規模と動員数から予算対効果を見極める

協賛予算と会場規模のバランスは、ROIを左右する重要な要素です。会場のキャパシティによって協賛費用は大きく変動するため、自社の予算規模に見合った選定が求められます。

重要なのは、単に「安い」「高い」で判断するのではなく、動員数あたりの単価(CPM:Cost Per Mille)で費用対効果を比較することです。小規模でも熱量の高いファンが集まる公演は、大規模でも拡散性の低いイベントより高い効果を生む場合があります。

 

ブランドイメージとアーティストの世界観の親和性を確認する

最も重要なのが、ブランドイメージとアーティストの世界観が一致しているかの確認です。親和性が高ければファンは協賛企業を「押し売り感のない自然な存在」として受け入れ、むしろ「好きなアーティストを支援してくれる企業」としてポジティブに評価します。

親和性を確認する際は、以下の観点でチェックすることをお勧めします。まず、

◼︎アーティストの楽曲テーマやメッセージ性
……自社のブランド理念と矛盾しないか

◼︎アーティストのビジュアルイメージやファッションスタイル
……自社の商品・サービスのトーンと合致するか

親和性が高い協賛は、ファンコミュニティの中で企業ブランドが自然に受容され、長期的な顧客ロイヤルティの構築につながります。逆に親和性が低い協賛は、どれだけ予算をかけても「場違い」「違和感」として拒絶され、投資が無駄になるリスクがあります。協賛先選定において、この親和性確認は最優先事項といえるでしょう。

 

目的別に選ぶライヴ協賛メニューと予算配分の考え方

協賛先のライヴを選定した後は、具体的な協賛メニューの選択が重要です。予算規模と目的に応じて最適なメニューを組み合わせることで、投資効果を最大化できます。ここでは予算帯別に実現可能な協賛プランと、その効果を解説します。

 

認知拡大を目指す協賛メニュー(予算100万円~300万円)

認知拡大を最優先課題とする企業にとって、予算100万円から300万円の範囲は最もバランスの良い投資ゾーンといえます。この予算帯では、会場内での視覚的露出と、デジタルチャネルでの拡散を組み合わせることが可能です。

■予算配分の例(合計200万円の場合)
……会場内CM放映とバナー掲出を軸に、SNS連動を組み合わせることで、会場内外での認知獲得を実現できます。会場内CM(70万円)、バナー複数箇所掲出(40万円)、SNS連動型キャンペーン(30万円)、パンフレットロゴ掲載(10万円)、予備費(50万円)といった配分が一般的です。

 

リード獲得・即時CVを目指す協賛メニュー(予算200万円~500万円)

リード獲得や即時コンバージョンを狙う場合、来場者との直接的な接点を創出するメニューが中心となります。予算200万円から500万円の範囲では、ブース出展とサンプリングを組み合わせた体験型の協賛が最も効果的です。

■予算配分の例(合計400万円の場合)
……ブース出展を軸に、サンプリングと会場内CMを組み合わせることで、認知から体験、購買までの一連の流れを設計できます。ブース出展(80万円)、サンプリング実施(150万円)、会場内CM(80万円)、バナー掲出(30万円)、SNS連動(20万円)、予備費(40万円)といった配分が考えられます。

 

ブランディング・採用強化を目指す協賛メニュー(予算300万円~1000万円)

企業ブランディングや採用強化を目的とする場合、イベントとの一体感を演出し、企業の価値観や世界観を伝えることが重要です。予算300万円から1,000万円の範囲では、ステージ協賛や冠協賛といった包括的な露出メニューが選択肢に入ります。

■予算配分の例(合計800万円の場合)
……ステージ協賛または冠協賛を軸に、ブース出展とSNS連動を組み合わせることで、ブランド認知と具体的なアクション(採用応募など)の両方を実現できます。冠協賛またはステージ協賛(400万円)、大規模ブース出展(150万円)、会場内CM(100万円)、SNS連動型大規模キャンペーン(80万円)、バナー複数箇所(40万円)、予備費(30万円)といった配分が一般的です。

 

マーケティングは拡大し続ける音楽ライヴ市場が狙い目

音楽・ライヴエンタメ市場は、2024年に7,605億円と過去最高を更新し、2030年には8,700億円への成長が予測される拡大市場です。推し活人口は約1,400万人に達し、トキ消費・メリハリ消費といった新しい消費行動が定着するなか、音楽ライヴへの参加は日常的なエンターテインメント消費として確立されつつあります。

従来のマス広告が広告単価の高騰、ターゲットリーチの非効率化、効果測定の困難さといった課題に直面する一方で、ライヴ協賛は高エンゲージメント層への精度の高いリーチ、試用促進や即時購買への転換、ポジティブな感情との結びつきという明確な優位性を持っています。

LIYYELLは、企業とアーティストをつなぐ音楽LIVE協賛支援プラットフォームです。年間数千件のライヴ情報から、貴社のターゲット層に最適な協賛先を提案し、協賛メニューの設計から効果測定まで、ワンストップでサポートします。予算100万円から始められる協賛プランもご用意していますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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